一九九六年からの日本版ビッグバンでは、生命保険分野の改革はほとんど見られなかった。銀行による生命保険販売については、「二〇〇一年を目処に、銀行の保険子会社か兄弟会社に限り、住宅ローン関連の信用生命保険の販売を認める」というもので、事実上のゼロ回答だった。ゼロ回答となった背景には、生命保険からの猛烈な抵抗に加え、当時は早期是正措置やセーフティーネットが整備されていなかったことがある。一九九七年に日産生命が破綻した原因が、提携銀行による個人年金保険の大量販売だったことも影響したようだ。しかし、一九九九年頃から大手生命保険による地方銀行の囲い込みが水面下で行われていた模様で、近年は生命保険が銀行窓販に絶対反対という雰囲気ではなくなっていた。二〇〇一年四月からは住宅ローン関連の長期火災保険など損保商品の一部で窓口販売が始まり、その後の検討の結果、二〇〇二年三月に金融庁はようやく銀行による生命保険商品(個人年金保険と財形保険)の販売解禁を決め、「銀行の保険子会社か兄弟会社に限る」という信用生命保険の規制も撤廃した。こうして、二〇〇二年一〇月から大手銀行や地方銀行が一斉に生命保険各社の個人年金保険の販売を開始し、信用金庫も業界団体が指名した生命保険四社の共同開発商品を扱い始めたのである。なお、対象となる商品のさらなる拡大については、引き続き検討のうえ、二〇〇三年度中に決めることになっている。